日本の住宅販売方法のここが問題!?

 

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◆根拠が不明確な坪単価


住宅の広告によくあるのが「3.3uあたり○万円」という表示。この3.3u=坪単価が実に曖昧なのです。家の大きさ、カタチ、仕様・壁の有無によってこの坪単価をいうのは変わるもので、壁の多い家とほとんど壁がない家で同じはずがないのです。キッチンなどの設備一つでもそう。仮に1台120万円とすると30坪の大きさの家なら坪あたり4万円となり、50坪の大きさの家なら2万4千円となります。

 

つまり、空間が広くなればなるほど坪単価は安くなる理屈でありますから、坪単価表示が掲載されているプランの周りに表現されているしばりの大きさが○○坪以上と書かれていたりしますから仮に「坪30万円」という広告等を見て、その会社に問い合わせしたりすると「坪45坪以上から」と言われたりして、それ以下の坪数では対応できないものなのです。

 

またこの坪単価だけでできる価格は、そのまま鵜呑みにしてはダメです。家の大きさでも違いますし、図のように家のカタチによっても価格は違うものなのです。それでも安い価格だけを強調している会社には、依頼者でもある皆さんが自らご注意される事が必要です。


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正方形も長方形も同じ面積でも基礎長さや外壁長さが正方形は10m×4=40m 長方形は(5m+20m)×2=50mとなり長方形のほうが25%も大きくなることがわかります。この長方形は大阪市内でよく見かける狭小間口の家がこれにあたりますが、坪単価を書かれて広告されている間取りのカタチは正方形に近いものが多いです。


この販売価格を別にして、家づくりの原価を安くする方法は、高度成長期の時代のように着工戸数が多くて大量販売と安心できる取引をすることにより建材や設備機器などの仕入れ価格は、可能な時代でしたが、人口減少に伴う過剰供給と空き家問題と着工戸数の減少により、これから先大量≠烽ナきなくなるだろうし、これら設備機器や建材だけでなく、構造体、品質、性能を落としたり、単純な間取りやカタチにしたり、あるいは手間賃の安い職人を使って、家づくりの原価を落とすか、その他の広告宣伝費などを含めて営業経費を抑えるしかありません。

 

つまり、使用する資材や品質、性能と技術レベルと販売経費が同じであれば、極端なコストの差は営業経費以外発生することはありません。巷では、「建築資材共同購入方式」とか「流通経路の削減によってコストを下げています」といったうたい文句を看板にしている住宅会社がよく存在しますが、それらがいくら安くてもそれ以上の利益率を計上していては意味がありません。

 

ですから、これらについてはしっかりとその仕様と見積もり明細の内容(※そもそもこれがないものが多く存在する)を比較すれば、適正な価格というものが見えてくるものなのであり、アメリカのように販売経費、使用部材、施工などをオープンにして初めてコストが明確になるというものなのです。


◆展示場やカタログに経費をかけすぎ

ハウスメーカーの家づくりの問題点の一つは、経費をかけすぎであるという点。おそらく昔からの風潮で高額商品だから豪華にしないとダメという固定概念があるのでしょうが、あまりにも古い体質のままと言え、そんなネットもない情報も集まらない昭和の高度成長期の時代ならともかく、もはや住宅展示場などが費用対効果で販売促進に役立つような時代とは言えません。

 

さらにそのモデルハウスに集めるためのチラシなどの宣伝に加え、資料請求者や来場者に対して高額で作成するカタログやパンフレットなど豪華な販促物を用意され配布されます。米国などはシンプルでそれらも有償と聞いたことがありますがそれも至極真っ当な販売方法だと思います。

 

もちろん建て主とすれば喜んでいる場合ではありません。結局、これらのコストは全て住宅価格に上乗せされ買わされるのです。


◆ハウスメーカーのコストの内訳


日本の住宅価格のコストが下がらない理由は、なにかと間接経費が掛かりすぎです。住宅展示場の地代にモデルハウスとその維持費、広告宣伝費用に豪華なカタログとプラン集、住宅営業マンと本社経費など。

 

住宅販売方法問題3.jpgその坪単価の内訳をみるために大手のハウスメーカーの住宅コストを調べてみると概ね図のような内訳のイメージになります。

 

これは大手ハウスメーカーの元住宅営業担当者から聞いた利益率40%と想定した場合で坪60万であれば原価は36万円、粗利24万円となりますが、粗利が40%も必要な家づくりをしていることが問題なので、この粗利率を下げることができさえすれば、同じような仕様と性能でもコストダウンは可能であると考えることができます。

 

本社(またはメーカー)経費が20%、営業所(または代理店)経費が20%、合計40%もの利益が住宅価格に計上される国はおそらくこの日本だけでしょう。そのためにまずは徹底的に無駄を省くことが大切で経費のかからない家づくりをする必要があるのです。

 

ただし、そもそもハウスメーカーが建てる住宅の価格は、残念ながら坪60万円の価格ではないのが現実であることもお伝えしておきます。

 


◆営業マンの活動に無駄が多い

 

営業活動をするための経費は必要不可欠なのですが、大手といえども効率化≠ニいいながら営業マン任せで効率の悪い活動をしているところが多いのも現実です。例えば、9人のお客さまを1人の営業マンが担当して契約できるのが1人もしくは2人とすると他の7−8人に対して同じように訪問して、プランニングして、見積もりをして、商談時間を費やして洗脳や説得や口説いたり・・・という対応をされます。

 

これらの活動がすべて無料でサービスとなっています。つまりこの契約できない7−8人分の経費の負担を契約する1-2人の方が負担しているという事になるのです。

 

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◆日本の住宅業界の下請け発注資質

 

年間3万戸を建てる大手のハウスメーカーなどが1棟当たり10万円のコストダウンができれば30億円のコストダウンにつながりそれが利益となりますから取引先への価格交渉や職人への支払額などの負担を少しでも下げるように注力ばかりして原価を下げる努力をされています。

 

一方でその利益のために取引先に交渉して、手間賃を下げて、できるだけの効率化をはかり、だからその原価が、さほど下げれなくなってきたのでこれからのこの住宅着工戸数が減る時代においては、販売単価を上げる、つまり売上単価がますます上がっていくように皆さんを仕向けることになるでしょう。

 

そのための言葉として、長期優良住宅、免震耐震 高断熱気密化、ZEHなど次から次へと新しい言葉を並べて、できるだけ価格に転嫁していくことになってきています。大量発注によるために仕入れ価格を抑えて…というのは、自社が管理している原価を下げるためだけでそれに伴い会社の利益が向上するだけで販売価格については、コストダウンされていないということにもつながります。



◆流行を追った住宅デザインはいずれ陳腐化します

衣料業界と同じで住宅業界も流行りのデザインがあり、それを商品として売り出しています。ただ外観だけを見てもメーカーごとの特徴もなく、どこの会社かわからないもので、ひと昔前には、庇の長い住宅のほうが長持ちします!と言っていたかと思うと今は箱型の庇のない住宅のほうが流行りですという具合。

 

特に外装材であるサイディングのデザインや柄などは時代により多種多様ですので、ほんの少し前のデザインなどはすぐに廃盤となります。数年前の外断熱ブームのように何かがきっかけで流行すれば、それに便乗しておけば安心できますが、10年もすればその流行が陳腐化して20年もすれば時代遅れになっていきます。

 

一方で海外の住宅は、築年数が経過しても全く飽きのこないデザインでこのあたりが築年数もさることながら海外との家づくりの違いと言えるのです。たとえ構造体が、30年持ちこたえても外観のデザインがみっともなければ、そこから大規模リニューアルをしなければいけませんし、また大きなコストがかかる事になりますので、これではランニングコストが軽減できない家づくりです。

 

ただ木造の場合は、築年数が経過しても手を加えればまだまだ使える住宅も多いので、これからの時代、補強も変化もできない構造体を選ぶことはやめた方がいいでしょう。仮にそれらを選ぶ場合は、間取りが変化できるようにプランニングをしてほしいと願います。昔の日本の家のデザインも洗練されていましたが、プレハブ住宅や工業化製品の家が出始めてから日本の住宅デザインの安定性がなくなったと言えます。



 

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