住宅業界の見積もり書の実態について

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住宅業界の見積書 〜基本的な考え

あるお客さまのプラン変更に伴う見積もり修正中ですが、この見積りをするためには、プランを決めて、性能も仕様も決めて、数量を拾い出して、積算をして見積もりができ上がります。

 

ですので、プランが変わって、前のプランからいくら上下変更するのかなどは、同じ仕様で比較しないと意味がないという事にもなりますので、希望するなら別でありますが、プランを変えて、性能や仕様までも大幅に変えれば、よくわからなくなります。

 

チェック3.jpg減額する場合は、ある程度プランを変えることだけで、できる減額をまずしっかりと見た上で、性能と仕様の調整などをあとから考慮すればいいのですが、皆さんがよくやることは、性能と仕様だけをランク落され調整して、値引きをしてもらったりされますが、それらは、高い商材=割引率の低い商品を割引率の高い商品に変更すれば話は別ですが、元々掛率が低い=つまり割引率が高い商材を選んでいたら、頑張ってもさほど価格は下がらなかったりするものあり、利益率を下げさせることにもなりますし、職人の質が悪くなっても仕方がないとも言えます。

 

ですので、見積額は、プランと仕様・性能の2段階で調整できるものであり、もちろん、性能や仕様だけでは調整できない限度額もありますので、そのあたりをしっかりと見極めないと性能と仕様だけの調整に走ることになり、家の大きさがポイントとなるプランを譲らなかったりするから、価格だけを最優先されて、職人の腕や質が悪くて、不快な家づくりになる方が多かったりします。


これがいわゆるヤスモノ買いの・・・となりますので、家づくりの場合は、その単なる安いモノを安く買う事と経済的で無駄をなくす事は、全く意味が違う事を理解しないと混同するからややこしくなるのです。

 

そこで、あるお客さまが見積もりを依頼した時の家づくり会社の見積もり書が不要なので!という事で手元に頂きましたので、いい機会なので皆さんに伝えていこうと思います。

 

提案されたプランは、あまりよろしくないプランですが、延床面積は26坪弱。でも、施工延床面積は30坪弱となっていますので、この4坪ほどの差はなんだろうか?と図面をしっかりと見ると、どうやらバルコニーの面積を含むか含まないかの差のようです。

 

まず ここでポイントひらめきです。

 

特に価格の安さ≠強調したがる営業マンガ存在する家づくりの会社ほど、その見せかけの価格だけを安く印象づける方法をとろうとしていて、その中でも代表的なのが昔からの表現に使われている坪単価表示ですが、この坪単価は、昔の大工さんが信頼でお任せされたときに経験論で、坪いくらという風習が残っている経緯からだと思いますが、今の時代でも、まだこの坪いくら?という事が残っていて、どれだけ家のカタチや性能・仕様のグレードに構造と間取りと面積までもが違っていても、この坪単価≠ニいうものだけで供給者側も消費者側も安さ≠セけを印象づけるために強調したりするので、挙句の果てに何も知らない消費者までもが、「坪いくら?」という言葉だけで、その他の情報は一切なしで、その価格だけで高い、安いの判断する慣習はいまだに払拭できておりません。

 

見積9.jpg特に建物本体の延床面積以外の施工延床面積(中には施工床面積と表現する会社もあります)という部分は、規定もルールもなしで、とっても曖昧な数字といえ、分母となるこの数字をいたずらに増やすことで、坪単価を下げることができ、消費者に対して安く印象づける手法は、ハウスメーカーや中小の住宅会社や最近では、工務店さんなどまでもこの手法を多くとられています。

 

つまり、2000万を延床面積25坪であるより、施工延床面積としての30坪で割る方が、坪単価は下がるわけですが、あたりまえといえばあたりまえですよね。

 

ですから、この施工延床面積≠ニいう言葉が、ポイントであり、どこからどこまでを含むのか、含まないのかで、その面積の計算をどう考えるのかなど、各社バラバラの考えであり、売る側のさじ加減ひとつでどうにでもできる数字となります。

 

だから、電話だけで坪単価を尋ねる人にこのカラクリを説明しようとしても、消費者の方々は、あまり重要視されませんが、これらの数量に拘ることだけで坪単価というまやかしの数字に混乱することがなくなるのです。

 

よって、これを読まれたあなたは、売り手側から都合よく作成されたそれらの資料を見て、表面の額面だけをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分なりの計算方法やルールを決めて、施工延床面積を自分のルールで計算して、対象となる工事内容もしっかりと見極めて、納得できる計算方法で算出されればいいと思います。

 

例えば、バルコニーは、壁も天井もないので、面積的には、半分つまり1/2にするとかなどです。床や壁がない吹抜けもバルコニーもしっかり面積に入れている会社は実に多いです。

  

 

住宅業界の見積書の実態 〜建築本体価格とは?

前項では、坪単価を下げるために家づくりを供給する側は、分母となる施工延床面積をいたずらに増やしている事をご説明しましたが、では、実際に見積もりで他社より安い!≠ニ感じていた価格が、どのように化けていくのかをご説明します。まずはこちらをご覧ください

 

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このクセモノの建築本体工事費用≠ニいう部分ですが、皆さんにお伝えされる坪単価≠フ表示は、ほとんどこれが分子対象となります。つまり正確には、これだけが・・・であります。

 

その1で伝えた彼らが計算する施工延床面積の坪数は、30坪弱となっていたので坪58.6万円ほどとなりますが、この事例で考えるとそもそもこの段階でも、さほど安くないですが、これをバルコニーの坪数を半分として施工延床面積を計算すると27.6坪となり、それだけで坪62.2万円ほどになり、一気に坪単価は、3.6万円ほど上がることになり、同じ間取りで、バルコニーを半分に計算しただけで、プランそのものは何もさわっていないのに面積の考え方だけで、これだけの単価が違ってきます。

 

当然、これらは価格表示だけの違いなので、この物件の利益率も原価もわかりません。たぶん営業担当者は、最終的にどれだけの利益になるのかも知らないかもしれませんが、これらは、建物本体工事費用のみであり、その他にも色々と費用は積み重ねていかれます。

 


住宅業界の見積書の実態 〜附帯工事費用

上では、建築本体価格についてお伝えしましたが、その3からは、価格のクセモノとなるその他の費用についてお伝えします。早速、明細を見てもらいましょう。

 

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この住宅会社のお見積もりは、附帯工事費用の合計は286万円となっています。もちろんこの会社は・・・であり、これは、見積する会社によって違うのはあたりまえです。ひょっとしたら同じ会社でも担当者によって違うかも…というレベルです。

では、ひとつひとつ順を追って解説や説明していきましょう。

   

設計図書01.jpgまず設計費は、図面を整える事や確認申請や構造計算などの費用となっていますが、この部分は、ほとんどのケースで100万以内でおさまる事になるかと思いますが、設計事務所に依頼するとこれが、設計監理費となり、全体の工事費に対して10%−15%をとることになるので70万の部分がそれだけで200万から300万となることが推測できます。

 

また、他社の見積りでこの部分が、ここまで費用が計上されていない場合は、確認申請費用程度しか図面が用意されないのでは?とか、構造計算は別途ですか?とか色々と心配しなければならないですし、社内の社員で図面などを書く場合には、諸経費や利益に含まれているとも言えますが、いずれにしても、必要なモノなのであり、手間=コストはかかるものですし、費用が計上されていない場合は、設計図書がどれほど用意されるのかを確認することを心掛けましょう。

 

さて、附帯工事とやらの最初の問題は、次の運搬費≠ナすが、一体何の事でしょう?

  
おそらく工事の事とはわかるのですが、仮に工事に関することであれば、それこそ本体工事に入れるべきであるといえますが、なぜかこの見積を提出した会社は、この運搬費を附帯≠ニされていますが、それが必要とするのであれば本体に含むべきであり、普通の感覚であれば、不思議です。

  

次の仕様変更工事は安いのですが、依頼した側が全く変更したつもりがなくても、このように変更工事として計上されますが、これらは、他の会社では、別途≠竍追加∞オプション≠ニいう表現になるのでしょうか・・・

 

次の仮設電気・水道工事も、これも工事名の通り、普通は本体工事として仮設工事に入れるものですが、あえて別の付帯工事になっていますが、意図的に本体価格を安く見せる主旨が伺えます。

 

外部給排水工事は、建物の外の工事なので、敷地条件によりますので、これは一般的と言えますが、ガス工事が、なぜか別途扱いにする会社も多いのですが、給湯器とか床暖房などは本体で、外部のガス配管(今回は床暖房の様子)が別途なのかを確認すべきであり、含む・含まないで混乱する表現でもありますのでご注意ください。

 

まだ、わけのわからない項目配置条件費用というのがありますが、これは、あまり他の会社では見かけれれない項目ですが、この言葉の意味が理解できませんが、推測するに敷地条件が悪い 例えば、狭小地だからとか言いたいのでしょうか?

 

もちろんこの価格の根拠もよくわかりませんし、資料を見てもどこにも書いていませんでしたので、こう言う項目を良しとするならば、売る側がどうにでも調整できる部分であり、30万でも100万でも書いて提出できることになり、これは例えば、見積上100万にしておいて、60万値引きします!という事が出来る部分でもあるという事になります。

 

運搬.jpg次なる小運搬費用も、先程の運搬費とどう違うのか!?とわからないのですが、合計するとこの運搬関係だけで91万ほどですが、一般的には、これらは本体工事≠ノ含まれるものですが、そもそも、こんなに運搬費は計上できるものではありません。となれば、これも値引きや利益として調整できる部分なのでしょうか。。。と推測したくなります。

 

これだけでは、床暖房工事もガスであるのか電気であるのかも分かりませんが、するかしないかを含めて、本体工事部分の電気工事かガス工事に含まれているものであります。

 

このような感じで何故別途とするのかもよくわからない工事項目が羅列されていて、その費用の合計が286万です。

 

ご参考までに、その昔、この附帯や別途工事の部分で網戸≠計上する会社もありましたし、利益となる諸経費をここで300-400万計上する○○ホームという会社もありますので、それぐらい基準がバラバラと言えるので、くれぐれもこの見積の提示方法には、しっかりしたルールがないものと理解した上で総額で比較できるようにしっかりした消費者となってくださいね。

 

くれぐれも、前項でお伝えした本体工事費用だけを見て、高い・安いという単純な判断をしないでください。それが依頼先の選択ミスにつながります。

 

それにしても、日頃全国の相談者に私が皆さんにお伝えしていますのが、素人であるはずの皆さんに出される資料だけで、その会社の姿勢や誠意がわかるという点はこういうことであります。



 

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